そこで急に、辺りからは『無』が消えざわめきが戻った。 「あれ、結界解けちゃった」 周りにはローブに身を包んだ者達が集まり、呪文を唱える。 男は臆する様子もなく、さらに続ける。 「まぁ後は闇がいるからいいか・・・な」 俺の周りの闇は、それに答えるかのようにざわめく。 その隙に魔族の足元に六芒星が描かれ、輝く。 「大人しくしろ!」 「・・・月並みなセリフだなぁ」 魔族はゆっくり左手を前方へと動かす。 「!!なにっ・・・!?」 六芒星に囲まれたら相当な力がないと動けるはずがない。 つまり、そいつはそれだけの力を持っている魔族だということだ。 動作は遅い、そしてヤツの顔は、笑っていた。 ・・・っ!まずい! 「っ!逃げろ!」 「遅いよ」 闇になんとか耐えつつ叫ぶが、魔族は黒い矢のようなものを出現させ、ローブの集団に攻撃する! うわあぁっっ!!! いくつもの悲鳴が重なり、攻撃された者のほとんどは倒れ、瞬時に防御した者もダメージが大きかったのか息を荒くする。 術者の集中力が切れたせで、六芒星の輝きもなくなり、消える。 魔族に再び自由が戻り、黒い羽を大きく羽ばたかせた。 片ひざをつき、ヤツを見上げている俺の目には、空が漆黒に染まったかのように見えた。 「長居は無用・・・っと。じゃあ、またな・・・シャイン・ハーツ」 そう言い残すと高く跳びあがり、彼方へと飛んでいく。 少し送れ、何人かがそれを追いかける。 俺も追いかけたかったが、意識がだんだん薄れていってできなかった。 このままでは何をしてしまうか分からない。 魔族の近くにいると闇が反応し、制御するのが難しくなってしまう。 なんとか魔力を振り出し、魔族とは反対方向に飛び立つ。 「おい!?待て・・・っ!」 闇があるせいか、そのスピードは普通より速い。 追ってくるものと、どんどん距離が離れていく。 早くその場から離れたかったからよかったと言えばそうだが、“闇のおかげ”だと思うと素直に喜べない。 魔力を使ったせいか、すでに意識が危ない。 もう少し先に行ったら下に降りて気を静めないと・・・ 俺は俺≠ナありたい。 自分を見失いたくない。 絶対に―― |
あとがき
とうとう闇が活動してくるようです。
シャインは半分は【魔族】だから、闇を受け入れやすくなっているんですよね。
闇の精霊とは【魔族】と一番相性がいいだけで、他の種族が使えないというわけではありません。
(悪の)害が全くない精霊もありますからね。
ですが、今回の闇はけっこうややこしいヤツなんです。
あの【魔族】と一緒にいたという事を考えれば、何となくわかるでしょうか・・・?
次回ですが・・・
ぜひ、お手元にハンカチの用意を。
