「あなたは何がしたいのですか?」
その男はいった。
「なぜ、こんな事をしているのですか?」
その男は問いただした。
俺が目を開けた先にあったのは、恐怖。
その中にその男はいた。
日はすでに沈み、町から離れたこの場所ではやたら暗く感じる。
そう、俺の心のように。
何がしたいのか、何でしているのかなんて分らない。
ただ、心の奥から出てくる感情が抑えられないんだ。
いつもとは違う、混沌としたこの感情が…
男はじっと見つめ、答えを待っている。
答える理由なんてない。
『答え』がないのだから。
気がつくと、俺は男に攻撃していた。
しかし俺の放った衝撃波は男の前であっさり砕け、消える。
「…っ!」
アイツは一体…
その続きは口によって伝えられた。
「アンタ、何者だ?」
「私はただの魔法士ですよ」
その時俺は、嫌な予感と共にその場から離れた。
しかし、男が見せた笑みに、その反応が遅れる。
そして…
「クラウザ様!」
男の後ろから、一人の女が走り寄る。
「テリア、けが人はどうでしたか?」
「はい。幸い怪我も軽くて、私の治癒で治りました。これから家まで送ろうと思います」
テリアと呼ばれた女はしっかりとした口調で答えた。
「ありがとう、そうして下さい。私はこの青年を家に運びますから」
「…!えっ…?」
その女は驚きを隠せないでいた。
クラウザが目を向けた先━地面に倒れている青年の背中には片翼が生えていた。
そして俺は、夢の中へと誘い込まれた。
あとがき
さあシャインの過去話の始まりです。
私自身小説を書くのは久々なんで、分りにくいところがあるかと…
さて、シャインはどんな過去を送ってきたのでしょうか?